写真・文

御供 文範 

石に訊け


正月の三が日も過ぎたある日、
筑波山に通じる
旧つくば街道を歩いた。
途中、小枝のように分かれた一本の小道に足を進めた。

その日は晴れていたが、小道の日陰に入ると冷気が肌をさし、思わず身震いするほどだった。
人の気配は感じられず
静寂さにあたりはつつまれ、うっそうと茂る木々の間から冬の乾いた青空が時々のぞいていた。

その時だ、
言霊が聞こえた。
石に訊け!石に訊け!


それ以来、わたしはこの麓の集落を訪れ気が向くままに足を運び写真を撮った。

わたしが存在するという不可解な問いに、わたしなりの答えをみいだすためだった。

(撮影地はつくば市神郡周辺)
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