「ルバイヤート(四行詩)」
オマル・ハイヤーム  
小川亮作訳(岩波文庫) 2021

 創世の神秘は君もわれも知らない。
その謎は君やわれに解けない。
何を言い合おうと幕の外のこと、
その幕がおりたらわれらは形もない。

05


 

 
 
チューリップのおもて、糸杉のあで姿よ、
わが面影のいかばかり麗しかろうと、
なんのためにこうしてわれを久遠の絵師は
土のうてになんか飾ったのだろう  

04


 ■M
なぜ生まれてこなければならなかったと知ることもなく、
このまま静かに生を閉じてしまうののだろうかー。
人は永遠の静かさを求めてるために誕生したのだろうか。
それならのこのこ地上に顔をだすこともなかったのにー。


もともと無理やりつれ出された世界なんだ。
生きてなやみのほか得るところが何があったか?
今は、何のために来(きた)り住みそして去るのやら
わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!

03 


 ■M
何をしてきたというのだ地上で
二本足で歩き二つの眼で見て二つの耳で
さらには鼻と口から息を吸い吐いて
何を問い続けてきたのか今だにわからぬのだ

自分が来て宇宙に何の益があったか?
また行けばとて特別変化があったか?
いったい何のためにこうして来た去るのか?
この耳に説きあかしてくれた人があったか?

02



 ■M
神も仏も信ずるには遠くから眺め
天の声を聞いたような地の霊に触れたような
そんなひとり合点を繰り返し生きながらへ
これからの行き先はどちらさまを目指しているのかー



解きえぬ謎

魂よ、謎を解くことはお前には出来ない。
さかしい知者*の立場になることは出来ない。
せめては酒と盃でこの世の楽土をひらこう。
あの世でお前が楽土に行けるとはきまってはいない。

01
 

 ■M
神も仏も信ずるには遠くから眺め
天の声を聞いたような地の霊に触れたような
そんなひとり合点を繰り返し生きながらへ
これからの行き先はどちらさまを目指しているのかー







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