「ルバイヤート(四行詩)」
オマル・ハイヤーム  
小川亮作訳(岩波文庫) 2021
 解きえぬ謎

チューリップのおもて、糸杉のあで姿よ、
わが面影のいかばかり麗しかろうと、
なんのためにこうしてわれを久遠の絵師は
土のうてになんか飾ったのだろう  
1




もともと無理やりつれ出された世界なんだ。
生きてなやみのほか得るところが何があったか?
今は、何のために来(きた)り住みそして去るのやら
わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!
2 





自分が来て宇宙に何の益があったか?
また行けばとて特別変化があったか?
いったい何のためにこうして来た去るのか?
この耳に説きあかしてくれた人があったか?
3






魂よ、謎を解くことはお前には出来ない。
さかしい知者*の立場になることは出来ない。
せめては酒と盃でこの世の楽土をひらこう。
あの世でお前が楽土に行けるとはきまってはいない。

*全知の神
 4







おひまな方はこちらへ